クライスラー300Cの魅力3

古き良き時代のアメリカ車を彷彿とさせる外観、クライスラーの絶頂期を支えたエンジンと当時主流だったフロントエンジン・リア駆動方式を搭載し、多くの人の心をつかんだクライスラー300C。レトロ・モダンのスタイルを取り入れて過去の伝統と栄光に頼ったものだったのであれば、そこまでのヒットにはつながらなかっただろう。クライスラー300Cが受けた高評価を支えたものは、実は別のブランドの実績とそれに対する信用でもあった。

クライスラーブランドの歴史において見たように、2005年にクライスラー300Cを発売したのは、ベンツを有するダイムラーとクライスラーが合併して設立されたダイムラークライスラー。つまり、300Cにはベンツのボディ構造やサスペンションを流用しつつ、ボディが大型化されたのだ。その実際の性能については評価が分かれることがあるものの、ベンツのボディが使われているという事実は、一般からの知名度・信用度においては絶大な効果がある。ベンツの持つ少量・高品質な車づくりというイメージ、クライスラーの持つ古き良き伝統のイメージが混じり合った時に大きな魅力が生まれる。

ベンツ、クライスラーと抜群の知名度を持つブランドイメージを備えている一方で、クライスラー300Cの新車価格は、5.7Lエンジンのもので600万円とアッパークラスセダンの中では、比較的、低価格帯にある車であった。内装はそのラグジュアリーなイメージほどには高級な仕様となっていない。やはり、そのパワーと大きさが魅力の中心にあり、セレブというよりは血気盛んなアウトローというのがこの車に当てはまるイメージなのかもしれない。