クライスラー300Cの魅力1

クライスラー300Cの魅力は、まずその50年代、60年代のアメリカ車を彷彿とさせる外観だ。300Cは、1955年に作られ大ヒットとなったクライスラーC-300に始まりその後モデルチェンジとアルファベットの変更を続けながら1965年まで続いた「シグネチャーシリーズ」に対するオマージュというストーリーで発売されたことからも明らかなように、デザインのエッセンスとして、当時のクライスラー車のスタイルを取り込んでいる。それは、1950〜60年代というアメリカ経済も一つの絶頂期を迎えた時期に、クライスラーが自動車ブランドとして絶頂を迎え、世界最先端のメーカーの一つとして市場をリードしていた時代のものだ。それを現代的にアレンジし、快適な居住性、走行性能を備えたアッパークラスセダンと21世紀によみがえることで、その歴史と時代に郷愁を感じるシニア世代だけでなく、当時のスタイルに憧れを持つ若い世代にまで支持を広げ大きな成功を収めた。
300Cに見られるスタイルは、ネオクラシック、あるいはレトロ・モダンと呼ばれている。まったくの新しい車でありながら、古き良き時代のデザインテイストを現代風にアレンジしたスタイリングを取り入れることで、懐かしさと新鮮さが入り混じった魅力が生み出され、見る者に強力にアピールする。これは自動車のみならずファッション、デザインなどポストモダンにおける有力な潮流として現代文化にすでに浸透している手法だが、そこには参考にすべき歴史と伝統が必要となる。1920年代にアメリカで創業し、1950年代〜60年代に世界の最先端自動車メーカーとして個性的な自動車を発表し続け愛されたクライスラーというブランドでなければ成しえなかったのが300Cという車だ。